みどりの式典
令和7年4月25日、天皇皇后両陛下御臨席の下、石破総理は、都内で開催された第19回みどりの式典に出席しました。
総理は、式辞を述べた後、みどりの学術賞の授与及び緑化推進運動功労者内閣総理大臣表彰の授与を行いました。
総理は、式辞で次のように述べました。
「本日ここに、天皇皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、『みどりの式典』を挙行するに当たり、政府を代表して式辞を申し述べます。
まず、今年に入り、岩手県大船渡市など各地で発生した山林火災により被災された方々に、心よりお見舞いを申し上げます。政府を挙げ、豊かな森林の回復を含め、被災地の復旧に取り組みます。
さて、平成19年に、5月4日が国民の祝日『みどりの日』になって以来、この日は、国民にとって、自然に親しみ、その恩恵に感謝し、豊かな心を育む日として定着してきました。 我が国は、国土に占める森林の割合である『森林率』が約7割にのぼり、世界3位を誇ります。
豊かな森林は、国土の保全や水源の涵養(かんよう)、地球温暖化の防止、生物多様性の保全などの恩恵を広く国民にもたらしてくれます。
これを、我々は、国民共通の財産として、次世代に引き継いでいかねばなりません。このためにも、『伐(き)って、使って、植えて、育てる』という森林の循環利用を進めてまいります。
今月12日には、天皇皇后両陛下、皇嗣同妃両殿下の御臨席の下、大阪・関西万博の開会式が行われました。会場では、世界最大の木造建築物である『大屋根リング』が来場者をお迎えいたします。
『大屋根リング』は、森林資源が持つ持続可能性を体現し、『いのち輝く未来社会のデザイン』という万博のテーマを象徴するものであります。その構造には、強度に優れる直交集成板、いわゆるCLTが使われております。CLTは、高層建築を含め様々な用途での活用が始まっており、木材の需要開拓、林業・木材産業の活性化に加え、CO2排出量の削減、地方創生への貢献も期待されます。
政府といたしまして、CLTに代表される新技術の活用を含め、身近な森林により国民生活が一層豊かなものとなるよう、取り組んでまいります。
結びに、本日の式典を通じ、国民の皆様に、改めて『みどり』への理解を深めていただくことを期待するとともに、本日受賞された皆様の益々の御活躍を祈念し、式辞といたします。」
出典:首相官邸ホームページ(当該ページのURL)