政府与党連絡会議
令和7年5月13日、石破総理は、総理大臣官邸で政府与党連絡会議に出席しました。
総理は、冒頭の挨拶で次のように述べました。
「日頃より御指導、御鞭撻(べんたつ)いただきまして、厚く御礼を申し上げます。連休中、国会のお許しもいただきまして、ベトナム、フィリピンを訪問をさせていただきました。ベトナムにおきましては、書記長、国家主席、首相、国会議長とそれぞれかなり長い時間会談をさせていただきました。フィリピンにおきましてはマルコス大統領と随分長い時間会談をしたところでございます。安全保障に関する協力の強化、あるいはアメリカの関税措置を踏まえました対応等々、随分と突っ込んだ話をさせていただいたところでございます。
アメリカの貿易赤字は、1981年ぐらいは、アメリカの貿易赤字の7割を、日本が占めておったということもございましたが、今アメリカの貿易赤字、1番が中国、2番がメキシコ、3番がベトナムでございます。その後、アイルランド、ドイツ、台湾、日本、こういう順になっておるわけでございますが、この問題につきましても、随分と意見交換をさせていただいたところでございます。また、ベトナムにおきましても、フィリピンにおきましても、現地に展開をしております、日系企業の方々、そういう方々との意見交換をさせていただいたところであり、そういう方々がどのような御懸念をお持ちか、どのような対応をお望みかということについて、きめ細かいお話をさせていただいたところでございます。
なお、戦後80年でもございますが、フィリピンは日本の兵隊さんの亡くなられた方、フィリピンが一番多いです。50万人という方がお亡くなりになっておられます。現地において戦争が終わった後、軍事裁判がございました。多くの方々が有罪となったところでありますが、フィリピンの大統領キリノさんという方でありましたが、ほとんど恩赦をしたということがございました。慰霊碑がカリラヤというところ、これはマニラから100キロ以上離れたところでございますが、日本の総理としては初めてだそうですが、そこに花を手向けてまいりました。上皇陛下が天皇御在位のとき2016年であったかと思いますが、お出ましになって花を手向けておられます。私どもとして、その歴史もよく知らねばならないということを、痛感をした次第でございますし、またベトナム戦争が終結をして50年(※)ということになります。そういうことも、我々はよく認識をしてやっていかねばならないということを痛感をいたしたところでございました。
アメリカの関税措置についてでございますが、米国時間5月1日、2回目の閣僚級協議を行いました。赤澤大臣からは米国によります一連の関税措置の見直しということを強く申し入れたところでございます。それに加えまして、可能な限り早期に合意が実現できますよう前進させることができました。また、両国間の貿易の拡大、非関税措置、経済安全保障面での協力等につきましても、具体的な議論を深めることができたということでございます。今後、事務レベルにおきまして集中的に協議を行い、次回の閣僚間の協議を、5月中旬以降集中的に実施すべく日程調整をしていくことで一致をした、このような報告を受けておるところでございます。
全国各地におきまして、この関税、そして影響を受ける中小、小規模事業者の皆様方の御不安、御相談にはきめ細かく対応いたしてまいりますので、既に全国各地で計1000か所特別相談窓口を設けておるところでございますが、そういう方々からの御相談に応じるというのは当然のことでございますが、政務三役も、当然そういうところへ出向きまして、向こうからおいでになるのを待っているのではなくて、こっちから出向いていって、いろいろな御要望、あるいは御懸念を聞くという体制をつくっておるところでございます。
先月末に与党の御提言も踏まえまして、5本柱の米関税措置を受けた緊急対応パッケージを取りまとめたところでございます。中堅中小企業の皆様方の資金繰り、雇用の状況などを踏まえました支援に、万全を期してまいりますし、生産性の向上などに取り組まれる中小企業、農林漁業者、そして市場の変化を見据えて、多角化や新規販路開拓を目指しております企業を、お支えをしてまいります。これもいかにしてわかりやすくお伝えをするかということが大事でございますので、そういう点にもよく配慮してまいりたいと思います。よろしく御協力をお願い申し上げます。
また、大阪関西万博が開幕をしており、連日多くのお客さまにおいでをいただいております。御尽力に心から御礼を申し上げます。引き続き、よろしくお願いを申し上げます。ナショナルデーが開催を連日されておるわけでございますが、各国要人の来日は多数ございます。外交的にも極めて重要な機会でございますので、政府としても政務三役の積極的な参加ということをいたしてまいりたいと思います。昨日は、ギニアビサウという国の大統領が来られまして、1時間ほど会談させていただきました。アフリカの西海岸、セネガルの南、ギニアの北というのが、ギニアビサウという国でございますが、そういう国々ともよく連携をしながら意思疎通を図ってまいりたいと思っておるところでございます。今朝はWTO(世界貿易機関)の事務局長がおいでになりましたが、今後の世界の貿易のあり方等につきましても、様々な意見交換を行ったところでございます。政府といたしまして、この難局に全力で取り組んでおるところでございます。引き続き、与党の先生方、幹部の皆様に、御指導、御鞭撻をよろしくお願いして御挨拶といたします。ありがとうございました。」
※「30年」と発言しましたが、正しくは「50年」です。
出典:首相官邸ホームページ(当該ページのURL)