人工知能戦略本部

　令和７年９月１２日、石破総理は、総理大臣官邸で第１回人工知能戦略本部に開催しました。

　会議では、⼈⼯知能戦略本部の運営等について議論が行われました。

　総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。

「９月１日に、先の国会で成立した『ＡＩ（人工知能）法』が全面施行されました。内閣総理大臣を本部長とし、全閣僚を構成員とするＡＩ戦略本部の下、政府一丸となって『世界で最もＡＩを開発・活用しやすい国』を目指してまいります。

　ＡＩは、社会課題の解決や産業競争力の強化を実現する技術であり、安全保障上も極めて重要であります。世界でＡＩ開発競争が激化する中、我が国も、反転攻勢をかけるべく、早急に必要な支援策や制度的対応を講じていく必要があります。

　国家戦略として、省庁横断的に、ＡＩによるイノベーションを本格的に推進していくため、城内大臣を中心に、４つの基本的な方針で、『人工知能基本計画』の策定を開始してください。

　第一の柱は、『ＡＩを使う』です。様々な課題解決にＡＩを使うことで、ＡＩの性能が向上し、日本で開発が更に進むという、好循環を生み出していくことが必要であります。ＡＩを活用した介護ロボットや見守りシステムが、地域の高齢者の健康と快適な日常生活を支える取組が始まるなど、国内でもＡＩの利用が進んできております。政府も率先して、ＡＩを適切に利用するよう取組を進めるとともに、規制・制度について、ＡＩの利活用を前提に、先回りして改革を進めていくことが重要であります。

　第二の柱は、『ＡＩを創る』、クリエイションの方ですが、『ＡＩを創るです』。ＡＩを国内で研究・開発できる能力を強化するため、フィジカルＡＩやＡＩ基盤モデルの開発や導入支援を進めるとともに、これらを支えるデータセンターや電力・通信インフラ等の確保を進める必要があります。

　第三の柱は、『ＡＩの信頼性を高める』であります。不正な目的や不適切な方法により、国民の皆様の権利・利益を侵害することがないよう、ＡＩ法に基づく調査研究や、ガイドラインの整備を進めるとともに、国際的なガバナンスの形成を主導していくことが重要であります。

　最後の柱は、『ＡＩと協働する』であります。ＡＩは雇用や産業等、国の在り方を大きく変えますが、ＡＩによって、人が幸せになるような社会を築いていくことが重要であります。そのために必要な制度や社会の仕組み、産業や雇用の在り方について、検討を進め、基本計画に盛り込んでください。以上であります。」