地方創生2.0に関する経済団体との意見交換

令和7年5月16日、石破総理は、総理大臣官邸で地方創生2.0に関する経済団体との意見交換を行いました。
総理は、冒頭の挨拶で、次のように述べました。
「ご多用のところ、お集まりをいただきまして、誠にありがとうございます。『地方創生2.0』というのは、要は『1.0』というのが10年前に始めたということでございますが、それとは全く趣が異なるというか、実現しようということは一緒なのでございますが、全く新しいやり方で取り組みたいということで『2.0』というふうに申しております。
人口減少が進んでおりまして、人口増加期につくられた経済システム、それはもう機能しないというふうに思っております。しないといっちゃ問題かもしれませんが、そういうのも変えていかねばなりませんので、従来の経済社会システムというものを検証し、中長期的に信頼していただける持続可能なシステムへと、そういうような変更していかねばならないと思っております。
これまでの10年間、私も初代大臣でございましたが、本格的に取り組めなかった点がいくつかあるんだと思っております。
第1に魅力ある職場づくり、人づくりを起点にした社会の変革によりまして、楽しく働き、楽しく暮らせる場所として、若者・女性に選ばれる地方というのは何なんだと、逆に申し上げれば若い方々の女性の方々、そういう方々が出て行ったっきり帰ってきていただけないということが、現状かと思っております。これが第1点。第2点はスマート化という言葉がよく言われるわけでございますが、農林水産業あるいは観光産業、これをスマート化をし、自然や文化・芸術などを各地の地域資源を活用した高付加価値型の産業・事業を生み出すという視点は、やっぱり『1.0』では抜けておったというふうに反省をいたしておるところでございます。また、AI(人工知能)・データセンター、脱炭素エネルギーをつなぐ、GX(グリーン・トランスフォーメーション)・DX(デジタル・トランスフォーメーション)インフラの整備を進めることにより、地方の強みである各種産業の潜在力を最大化するということが重要でございまして、今申し上げた3点とも民意の力というものなくしてできるものでは決してございません。私、よく申し上げるのですが、地方創生っていうのは、やりっぱなしの行政、頼りっぱなしの民間、全然無関心の市民、これが大体三位一体になって絶対失敗するということに相成っておりまして、民間の皆様方のお力をぜひとも賜りたいと思っておるところでございます。
官民連携の下にハードだけではないソフトの魅力で新たな人の流れ生み出すということでありますし、10年前はあんまりAIとか、そういう言葉はなかったように思っておりますが、この新しい技術を徹底的に活用して、多極分散型の多様な経済社会を構築したい、かように考えているところでございます。
年齢、あるいは障害、そういうようないろいろな差異はございますが、そういうことに関わりませず、希少な人材を大事にする社会づくり、お一人お一人の幸福実現を可能にする、人を中心とした国づくりを進めたいと思っております。全ての人が幸せを実感できる、人を尊重する『人財尊重社会』、この『財』というのは『たから』という字を書くのでございますが、『人財尊重社会』を築きたいと思っております。
限られた時間でございますが、全国各地の取組、あるいはこれからの考え等々をお聞かせいただければ大変にありがたいと思っております。どうぞよろしくお願いを申し上げます。」
出典:首相官邸ホームページ(当該ページのURL)