経済財政運営と改革の基本方針2022(骨太の方針)
新しい資本主義へ
~課題解決を成長のエンジンに変え、持続可能な経済を実現~
Ⅰ.我が国を取り巻く環境変化と⽇本経済
・我が国を取り巻く環境変化(新型コロナウイルス感染症、ロシアのウクライナ侵略、気候変動問題 等)や国内における構造的課題(輸⼊資源価格の⾼騰、⼈⼝減少・少⼦⾼齢化、
潜在成⻑率の停滞、災害の頻発化・激甚化等)など、内外の難局が同時かつ複合的に押し寄せている。
・世界経済の不確実性が⼤きく増す中、我が国のマクロ経済運営については、当⾯、2段階のアプローチ
で万全の対応を⾏う。
【第1段階】 総合緊急対策を講じることにより、国⺠⽣活や経済への更なる打撃を抑制し、
厳しい状況にある⽅々を全⼒で⽀援。コロナ禍からの回復を確かなものに。
予備費の活⽤等により予期せぬ財政需要にも迅速に対応し、国⺠の安⼼を確保。
【第2段階】 ⾻太⽅針2022
や新しい資本主義に向けたグランドデザイン・実⾏計画
をジャンプスタートさせるための総合的な⽅策を早急に具体化し、実⾏へ。
・⼤胆な⾦融政策、機動的な財政政策、⺠間投資を喚起する成⻑戦略を⼀体的に進める経済財政運営の枠組みを堅持。⺠需主導の⾃律的な成⻑とデフレからの脱却に向け、
躊躇なく機動的なマクロ経済運営を⾏う。
・持続的な経済成⻑に向けて、官⺠連携による計画的な重点投資を推進する。危機に対する必要な財政⽀出は躊躇なく⾏い、万全を期す。
経済あっての財政であり、経済をしっかり⽴て直す。そして、財政健全化に向けて取り組む。
Ⅱ.新しい資本主義に向けた改⾰
●社会課題の解決に向けた取組それ⾃体を付加価値創造の源泉として成⻑戦略に位置づけ
●官と⺠が協⼒して計画的・重点的な投資と改⾰を⾏い、課題解決と経済成⻑を同時に実現
新しい資本主義に向けた重点投資分野
1.⼈への投資と分配
・スキルアップ、多様な働き⽅の推進
・質の⾼い教育
・賃上げ・最低賃⾦の引上げ(全国加重平均1000円以上)
・「資産所得倍増プラン」(NISAの抜本的拡充、iDeCo制度の改⾰等)
2.科学技術・イノベーションへの投資
・量⼦、AI、バイオテクノロジー・医療分野への官⺠が連携した
投資の抜本拡充
3.スタートアップ(新規創業)への投資
・スタートアップ育成5か年計画を本年末に策定(5年10倍増)
4.グリーントランスフォーメーション(GX)への投資
・150兆円超の官⺠投資に向けた成⻑志向型カーボンプ
ライシング構想の具体化やGX経済移⾏債(仮称)の検討
5.デジタルトランスフォーメーション(DX)への投資
・テクノロジーマップの整備・実装、マイナンバーカードの普及
Ⅲ.内外の環境変化への対応
国際環境の変化への対応
●外交・安全保障の強化
・安全保障環境が⼀層厳しさを増す中、外交・安全保障双⽅の⼤幅な強化
・防衛⼒を5年以内に抜本的に強化
●経済安全保障の強化
・経済安全保障推進法の着実な施⾏
●エネルギー安全保障の強化
・省エネ促進、再エネ、原⼦⼒など脱炭素効果の⾼い電源を最⼤限活⽤
●⾷料安全保障の強化と農林⽔産業の持続可能な成⻑の推進
・⾷料安定供給、みどり戦略、輸出促進(2030年5兆円⽬標) 、スマート農林⽔産業
●対外経済連携の促進
・国際連携の強化(DFFT、TPP11、RCEP、IPEF等)
・対⽇直接投資の推進(2030年80兆円⽬標)
・外国⼈材の受⼊れ・共⽣
防災・減災、国⼟強靱化の推進、東⽇本⼤震災等からの復興
国⺠⽣活の安全・安⼼
Ⅳ.中⻑期の経済財政運営、Ⅴ.当⾯の経済財政運営と令和5年度予算編成に向けた考え⽅
・財政健全化の「旗」を下ろさず、これまでの財政健全化⽬標に取り組む。経済あっての財政であり、現⾏の⽬標年度により、状況に応じたマクロ経済政策の選択肢が歪められてはなら
ない。必要な政策対応と財政健全化⽬標に取り組むことは決して⽭盾するものではない。経済をしっかり⽴て直し、そして財政健全化に向けて取り組んでいく。ただし、感染症及び直近の
物価⾼の影響を始め、内外の経済情勢等を常に注視していく必要がある。このため、状況に応じ必要な検証を⾏っていく。
・官⺠連携による計画的な重点投資の推進、単年度予算の弊害是正、効果的・効率的な⽀出(ワイズスペンディング)の推進とEBPMの徹底強化、税制改⾰。
・全世代型社会保障をはじめとする持続可能な社会保障制度の構築、その他歳出分野(社会資本整備、地⽅⾏財政、教育・研究活動の推進)の取組を実施。
・令和5年度予算において、本⽅針及び⾻太⽅針2021に基づき、経済・財政⼀体改⾰を着実に推進。ただし、重要な政策の選択肢をせばめることがあってはならない。
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出典:首相官邸ホームページ