都道府県議会議長との懇談会
令和7年7月24日、石破総理は、総理大臣官邸で都道府県議会議長との懇談会を開催しました。
総理は、挨拶で次のように述べました。
「皆様こんにちは。本日は、平素より地域社会の発展や住民福祉の向上に御尽力いただいております都道府県議会議長の皆様方から、政府として直接御意見を伺う機会を持つことができ、本当にありがたく思っております。
まず冒頭、米国関税のお話をさせていただきます。報道で御案内のとおりでございますが、昨日、米国の関税措置に関する日米協議について、トランプ大統領との間で合意に至りました。この場をお借りして、御報告をさせていただきたいと存じます。
我が国の基幹産業である自動車及び自動車部品につきましては、本年4月以降に課されました25パーセントの追加関税を半減し、既存の税率を含め15パーセントとすることで合意しました。世界に先駆け、数量制限のない自動車・自動車部品の引下げを実現いたしました。
相互関税につきましては、これまで日本の関税率を25パーセントに引き上げるとされておりましたが、これを15パーセントにとどめることで合意をいたしました。これは、対米貿易黒字を抱える国の中で、これまでで最も低い数字でございます。また、今般の合意には、農産品を含めて、日本側の関税を引き下げることは含まれておりません。
今回の合意による、品目ごとの関税率につきましては、全国約1,000か所設けております特別相談窓口で、丁寧にお答えできるよう速やかに措置をいたします。中小企業・小規模事業者の方々の資金繰り等への支援につきましても、丁寧に御相談に応じてまいります。
続きまして、政府として、皆様と共に特に取り組みたいことについて申し上げます。
本年も、岩手県大船渡市などにおけます山林火災、トカラ列島近海を震源とする群発地震など、各地で災害が発生し、南海トラフ地震や首都直下地震は来るか来ないかではなくて、いつ起きてもおかしくないとされる中、災害対策の強化は急務であります。
先の国会におきましては、災害対策基本法等を改正し、災害NPO等の登録制度や、被災者への福祉支援の強化を実現したところであり、これらの新たな制度を自治体と共に適切に運用いたしてまいります。今年度は、内閣府防災担当の人員と予算を倍増するとともに、地域防災力強化担当の職員の新設をしており、自治体による備蓄、災害訓練、官民連携等を更に支援・促進をいたしてまいります。その上で、令和8年度中の防災庁の設置に向けた検討を加速しているところでございます。
自治体の皆様とも緊密に連携しながら、防災・減災、国土強靱化を着実に推進し、我が国を「人命・人権最優先、世界一の防災大国」にいたします。
政府では、「地方創生2.0」の取組を、「令和の日本列島改造」として強力に進めています。先月には、今後10年間を見据えた「地方創生2.0」の方向性を示す「基本構想」を取りまとめました。
それぞれの地域がどうすればよくなるのかを御存じなのは、霞が関とか永田町ではございませんで、地域の皆様方であります。私が地方創生大臣の時から申し上げていることでございますが、産官学金労言、士というのは士(さむらい)という字を書きます、産官学金労言士などの地域の多様なステークホルダーが、地域の課題を自分事として捉え、連携しながら取組を進めていく必要がございます。
国といたしましても、地方創生・伴走支援制度の拡充による人材支援、倍増した新地方創生交付金の使いやすさの向上、地域の各種データの視覚化等を推進し、地方の主体的な取組を支援をいたしてまいります。
皆様には、各地域のステークホルダーの参画を得ながら施策が展開されますよう、リーダーシップを発揮していただくことを心より期待をいたしております。
我が国は今、物価高や新たな関税率への対応など、様々な課題に直面しております。その状況や影響を見定めつつ、地方の皆様の声を丁寧に伺いながら、一つ一つの課題に必要な対応を行ってまいります。
本日の懇談会におきましても、忌憚(きたん)のない御意見を頂戴できれば幸いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。」
出典:首相官邸ホームページ(当該ページのURL)