津波で流出した松原再生へ‐4万本の植樹完了-海開き(岩手県陸前高田市)(令和3年7月21日)

東日本大震災津波で壊滅的な被害を受けた岩手県陸前高田市・高田松原で令和3年5月18日、津波で流出した松の植樹が全て完了しました。
新たに植樹された4万本の松のうち、県の植樹分が3万本、「高田松原を守る会」が残りの1万本を植樹し、その中の600本は、震災前年にクリスマスの飾り物用に高田松原で拾い集めて保管されていた松ぼっくりの種から育てられた苗木が植えられました。
高田松原は津波被害以前、7万本の松が2キロメートルにわたり生い茂る日本百景にも指定される景勝地でしたが、東日本大震災の津波により1本を残して全て流出してしまいました。
唯一残った松は〈奇跡の一本松〉と呼ばれ、復興のシンボルとして市民の方々の希望となりましたが、海水による根の腐食で再生不可能と判断され保護を事実上断念し伐採されることになりました。
切られた一本松は防腐処理等を施した上で元の場所に復元され、津波被害を後世に伝えるモニュメントとなりました。
また、高田松原海水浴場では、同じく津波で流出した砂浜の再生事業も終わり、シャワー室やトイレ等の付帯設備が整備され、2021年7月17日に11年ぶりの海開きが行われました。
同海水浴場には、復興祈念公園と道の駅高田松原が隣接しており多くの人が訪れています。海岸一帯の整備も進み、美しい松林の景色がよみがえったことで、これからは震災以前の様に、地元市民はもとより、県内外からたくさんの人々が集う賑わいの場所になることでしょう。

【奇跡の一本松】

【植樹された松】


出典:復興廳